「水五訓」とは、豊臣秀吉の知恵袋でもあった黒田官兵衛が戦略を立てる上で拠り所とした、と伝えられている教えです。
一.自ら活動して他を動かしむるは水なり(率先垂範)
二.障害にあい激しくその勢力を百倍にし得るは水なり(試練による強化)
三.常に己の進路を求めて止まざるは水なり(向上心と成長性)
四.自ら潔うして他の汚れを洗い清濁併せ容るるは水なり(包容力)
五.洋々として大洋を充たし発しては蒸気となり雲となり雨となり雪と変じて
霰と化し凝しては玲瓏たる鏡となりえるも其性を失わざるは水なり(時流と本質性)
戦国時代を代表する軍師と言われた官兵衛の「水五訓」について、その解釈に微差はありますが、私が挿入した文末の括弧内容を意味していると理解されています。現代の企業経営に当てはめれば攻めの商法、競合・逆境により強化され、成長分野への多角化、相対立事象を調和させ、本質を維持しつつ時代に即応していく、ということであろうか。
水は、環境に適した形態への変化を受け入れ、しかも水としての本性を失うことはありません。時流に適した経営、商品開発へ移行することで事業の継続を図りつつ企業イメージ、ブランド力を維持し続けることへの教訓に通じるのではないでしょうか。