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両利きの経営

両利きの経営

〜島嶼市場で継続・発展するために〜

 

このところ「両利きの経営」という経営手法が盛んに言われています。

「両利きの経営」とは、従来の取組を継続「深化」させ、更に安定した事業を展開する会社経営と、これまでの商材とは異なる新しい分野を「探索」し、将来の金の卵を生み出そうとする同時取組を経営理論としてこのように表現しています。

 

たしかに、安定した経営をするためには二つ以上の商材を持つ必要がある、と言われます。主力商品の業態に関連する新たな商材の開発か、又はこれまでの会社イメージとは異なる分野で、新たなビジネスを見出すのか、という経営者の意思決定が求められるわけです。

「探索」は、人と資金の長期的な投入を必要とします。しかも成果物が主力業務と並行するまでの成長を遂げるかというリスクを背負っています。イノベーションを起こすための「探索」は、目の前の利益や効率、評価基準を別にしなければ、社内組織として維持できない経営手法でもあります。

 

「両利きの経営」という視点での成功事例は、クロネコヤマトの企業間物流から「宅配」事業、世界的な影響力を持つAmazonのオンライン書店からネット総合ストア事業への転身等無数にあるわけです。

 

沖縄の島嶼市場で継続発展しているホーメル、サンエー、拓南製鐵、御菓子御殿、沖縄ツーリストを「両利きの経営」の視点から分析した与那原建・山内昌斗共著『沖縄企業の競争力』文眞堂(20213月)は身近な事例を扱った興味深い著書です。企業は成熟するにつれて組織は「深化」に偏るという弊害を防ぐためにも、一読をお勧めします。