トラブルにならないための〜法律の相続対策
トラブルにならないための〜法律の相続対策
文書作成日:2019/01/20


 今回は相談事例を通じて、相続人の1人が行方不明の場合の遺産分割協議を行うための方法について、ご紹介します。



 私の父は私が幼い頃に亡くなり、母が女手ひとつで私と弟2人を育ててくれました。今般、その母が自宅の土地と建物を遺して亡くなりました。
 相続人全員で亡母の財産について遺産分割協議をしなければならないと思いますが、弟は30年前から行方不明で遺産分割協議ができません。どのようにすればよいのでしょうか。




 遺産分割協議は共同相続人全員でする必要があり、これに反した遺産分割協議は無効となります。共同相続人の中に行方不明者がいる場合には、遺産分割協議ができないこととなりますので、このままでは、ご相談者様のケースでは遺産分割協議ができないということになります。
 遺産分割協議を行うための方法としては、行方不明の弟様に代わって遺産分割協議に参加する者を確定する、以下の2つの方法が考えられます。

 ◆不在者財産管理人選任
 ◆失踪宣告





 不在者財産管理人選任とは、行方不明者の代わりに行方不明者の財産の管理をする者の選任を、裁判所へ申立をする制度をいいます。そこで選任された不在者財産管理人が、行方不明者に代わって遺産分割協議を行うことになります。なお、この場合、遺産分割協議の内容について家庭裁判所の許可が必要になります(民法28条)。
 これにより、遺産分割された被相続人の財産で行方不明者が相続した財産は、今後、不在者財産管理人によって管理されていきます。

 もう1つの方法が、失踪宣告の制度です。この失踪宣告は不在者財産管理人の選任より強力な制度で、効果が発生すると行方の分からない相続人は死亡したものとみなされます。
 失踪宣告には、普通失踪と特別失踪があり、普通失踪では7年間生死がわからない場合に失踪宣告の申立てができるようになり、失踪宣告の申立てが認められると7年間の期間が満了した日が死亡した日とみなされます。
 特別失踪とは震災や戦争、船の沈没などで生死が分からない場合に申立てるもので、危難が去った時から1年間が経過しても生死が分からない時に申立てができ、危難が去った時に死亡したものとみなされます。
 失踪宣告の申立ができる者は利害関係人(相続人等)だけで、申立が行われると、家庭裁判所において行方不明者の調査などが行われます。
 失踪宣告が認められると死亡したものとみなされますが、法律上みなされるだけで、実際は生きている可能性もあります。また、行方不明者が帰ってきたとしても、失踪宣告を取り消さない限り、法律上は死亡したものとして扱われます。
 失踪宣告では死亡とみなされるため、その行方不明者は相続人の地位を失い、その他の相続人で遺産分割協議をすることとなります。また、行方不明者に相続人がいた場合、代襲相続が発生しますので注意が必要です。

 どちらの制度を利用したほうが良いか、ご親族関係、相続財産の額、種類等により異なりますので、弁護士、司法書士等の専門家へ相談の上、より適切な制度を選択いただくことが良いと思われます。


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